2014/04/28

分業は素晴らしいという話

太古の昔、人間は皆、狩りをしてその日の食料を得ることだけに必死だった。しかし器を作り食料を入れるとか、貨幣を使いはじめるなど価値の交換を覚えてからは、狩り以外の”仕事”をして、その成果物を食料と交換できるようになった。分業の始まりである。皆が狩りをしていた頃とは違い、”仕事”に専念できるようになると、器職人は器の質が上がり、家職人は家の質が上がるなど、人一人が知識と経験を深めてより大きな価値を生み出せるようになった。

スペシャリストこそが大きな価値を生むのだが、未だにゼネラリストを重用する雰囲気を感じることがある。ゼネラリストではなく、プレイングマネージャーなどと言い換えられていることもある。分業して初めて一人一人が高い価値を生み出せるのに、なぜ広く浅く物事を考える人間を重用するのだろうか。スタートアップ企業がゼネラリストを求めるのはまだ理解できるが、ある程度大きな企業では理解し難い。

マネージャーとか、チームリーダーとか、ある程度大きい会社の重役などはゼネラリストだろうと思われるかもしれないが、マネージメントやリーダーシップも突き詰めて極めていく必要があるので、それらもスペシャリストである。決して、スペシャリストの集団の中から適当に選んでチームリーダーにするなどしてはいけない。リーダーとしてのスペシャリティがなくその人は失敗するだろう。

最悪なのは、スペシャリストに専門外の仕事をさせることだ。一つのことを突き詰めた人間に他のことができるはずがない。できるのは刺身にタンポポを乗っけるなどの誰にでもできて生み出す価値も高くない仕事である。もしそんなことがあれば、それはマネジメントスペシャリストたちが無能なのか仕事をしてないかのどちらかだろう。